加藤ゼミナール / 業務設計
kato-seminar.jp の品質チェックをパートさんに担っていただくにあたり、サイト全体を実際にクロールして 意味のまとまりごとに整理した「人間用サイトマップ」を作成しました。 どのまとまりから着手すべきかをご確認いただきたく、あわせてAIの使い方の設計と、 洗い出しの過程で見つかった問題を報告します。
▶ ご確認いただきたいこと(結論)
サイトは全 2,457ページあります。これを8つの「便」に分けました。 第1便(商品の入口・22ページ)から着手するのがこちらの推奨です。 経営上の優先度が違えば入れ替えますので、順番をご指示ください。
「パートさんが全ページをAIに読ませて誤字を探す」という設計にしてはいけません。実測でこのサイトは 2,457ページあり、 主要ページ1枚が本文 24,779字あります。全数 × 人力 × AI では工数が破綻し、AIの誤指摘で品質も落ちます。 意味のまとまりごとに、優先度の高い順に区切って進めます。
正しい分担は3層に分けることです。機械にできることは機械に寄せ、人とAIは判断が要る所だけを持ちます。
| 層 | 担当 | 守備範囲 |
|---|---|---|
| 機械層 | 社内(自動スクリプト・週次) | リンク切れ・404・画像欠損・更新ページ検出・表示崩れの一次検出 |
| AI層 | パートさん × Gemini / ChatGPT | 誤字脱字・表記ゆれ・年度/価格/日程の構造抽出 |
| 専門家層 | 法律の分かる方 | 法律用語・制度記述の正誤判定 |
そのうえで、運用を支える核心ルールは次の3つだけです。これを守れば専門知識がなくても事故りません。
Ctrl+F でその文字列の実在を確認できたものだけを起票します。
見つからなければAIの作り話なので即破棄します。これがAIのハルシネーションを止める唯一の実務的な関門です。トップページから内部リンクを辿り、到達できるページを全件洗い出しました(2,457ページ)。 sitemap ではなく実際のリンクを辿って数えているため、sitemapに載っていないページも含みます。 これを意味のまとまりで分類し、チェックの順番を「便」として区切りました。全ページがいずれかの便に入っており、未分類はありません。
トップページから内部リンクを辿って到達できた全ページを、大分類9つ・中分類30に整理したものです。 右端の 便バッジは、そのまとまりを何番目にチェックするかを示します(濃い色ほど優先)。 🔴=表示できないページ数、⚠=古い年度のページへリンクしている疑いのあるページ数。 数字はすべて台帳から自動生成しているため、台帳を更新すればこの図も同じ値に追随します。
商品・講座だけで全体のほぼ半分(1,195ページ)を占めます。うち692ページが講座ページ本体
/course/…、325ページが購入画面 /courses/detail/… です。
| 便 | まとまり | ページ数 | 🔴表示できない | ⚠️年度疑い | なぜこの順番か |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1便 | 商品の入口 | 22 | 0 | 6 | 売上に直結し、年度の間違いが最も痛い。実際に不具合が既に出ている(後述)。数が少なく1〜2日で終わる |
| 第2便 | 既に壊れている所 | 36 | 26 | 0 | 人が見るまでもなく機械で不具合が確定済み。修正依頼を先に出せる |
| 第3便 | 申込前に必ず通る導線 | 180 | 9 | 34 | 体験・単科・資料請求・販促。年度不整合の検出が最も集中している |
| 第4便 | 価格の正本(購入画面) | 331 | 7 | 0 | 正本表(正しい価格・日程のマスタ)が揃ってから着手する |
| 第5便 | 講座ページ本体 | 692 | 0 | 122 | 量が多い。全数ではなくサンプリング+機械チェックで回す |
| 第6便 | 読み物コンテンツ | 290 | 1 | 2 | 法律用語が最も濃い。専門家のエスカレーション体制が整ってから着手する |
| 第7便 | 更新頻度が低い蓄積 | 838 | 36 | 7 | 合格者の声・お知らせ。過去記事中心で年度の誤りが実害になりにくい |
| 機械のみ | 人は見ない | 68 | 6 | 0 | 過年度アーカイブと技術用URL。リンク切れの機械チェックだけ回す |
| 合計 | 2,457 | 85 | 171 | ||
/course-list/pre-bar-exam/ /course-list/bar-exam/ /course-list/law-school//lineup_2026/ /lineup2026/
/course-list/2025/ /advance-release-lineup_2026/ ほか/yobisiken-goukaku-pack-detail-2026/ /shihoushiken-goukaku-pack-2026/
/houkadaigakuin-goukaku-pack-2026/ ほか/sokuhou/ /sokuhou-yobi/ の科目別ページがほぼ全滅/waytopass//taiken* /benefit_lecture/。年度不整合の疑いが24件と最多/courses/detail/?id=…/course/NNNNNN/ の個別講座ページ。サイト内で最大の塊。全数は現実的でないためサンプリングで回す/law-column//media//exam//voice/⚠️ この順番はこちらの推奨です
売上・広告出稿・キャンペーンの予定によって、優先すべきまとまりは変わります。 「先にここを見てほしい」というご指示があれば、便の順番を入れ替えます。 分類自体の追加・分割のご要望も承ります。
台帳作成のために全812ページを実際にクロールした結果、チェック業務を始める前の段階で以下が判明しました。 すべて実測値であり、推定は含みません。404はcurlでも独立に再確認済みです。
🔴 死んでいるリンク先
79本
サイト内 610箇所から貼られている。フォーム系など「GET直叩きで404が正常」なものは除外済み
⚠️ 年度不整合リンクの候補
413件
「新しい年度のページ → 古い年度のページ」。誤検知も含むため人の判定が要る
🔴 去年の商品ページに転送される入口
3本
年度なしの正規URLが、2026年版ではなく2025年版に自動転送されている
チェック対象ページ(全件)
2,457頁
実リンクを辿って発見。8つの便に全件を分類済み・未分類ゼロ
今回いちばん重い発見です。年度を含まない「正規の入口URL」が、2026年版ではなく2025年版に自動転送(301リダイレクト)されています。 サイト内リンクの間違いではなく、サーバー側の転送設定のレベルで去年に飛ばしているため、 広告・メール・外部サイトからこのURLで来た方は、そのまま去年の商品ページに着地します。
| 入口URL | 実際の挙動 | 状態 |
|---|---|---|
/yobisiken-goukaku-pack/ |
301転送 → /yobisiken-goukaku-pack-detail-2025/ |
🔴 去年版に着地 |
/lineup/ |
301転送 → /lineup_2023/ → さらに301 → /lineup_2025/ |
🔴 二段転送で去年版 |
/yobisiken-goukaku-pack-detail/ |
表示される(200)が、本文の年が2021〜2025年のみ。令和8年・2026年の記載が一切ない | 🔴 中身が去年のまま |
/course-list/ |
403(閲覧できない)。試験種別ハブの親にあたるURL | ⚠️ 要確認 |
/shihoushiken-goukaku-pack//houkadaigakuin-goukaku-pack/ |
404(存在しない) | ⚠️ 要確認 |
🔴 これはパートさんのチェックでは発見できません
転送設定は画面を見ても分からないため、人力チェックでは永久に見つかりません。 機械チェックを人の作業とは別に回す必要があることの、最も分かりやすい実例です。 修正はサイト管理側の作業になります。
最も多いのは試験速報の科目別ページ群で、10本のURLがそれぞれサイト内12箇所から貼られたまま404になっています。 科目一覧から「憲法」「民法」等をクリックすると、いずれもページが存在しません。
| 死んでいるリンク先 | 貼られている箇所 | 備考 |
|---|---|---|
/sokuhou/kenpou/ ほか速報科目ページ 10本 | 各12 | 科目一覧からのリンクが全滅 |
/shihoukouza/ / /yobikouza/ | 3 / 2 | 講座ルートページ |
/information/ 配下の記事 12本 | 1〜4 | 削除済み記事へのリンクが残存 |
/assets/pdf/hikaku2026-*.pdf 3本 | 各1 | 2026年の比較資料PDFが配置されていない |
/taiken2023/, /ronsyousyuu2023-2/ | — | sitemapに掲載されているのに404(検索エンジンにも影響) |
ご懸念のとおりの事象が、実際に検出されました。
🔴 検出例
/houkadaigakuin-goukaku-pack-2026/(法科大学院 合格パック2026)
→ リンク文言「サンプル講義をもっと見る」
→ 遷移先 /taiken-houkapack2025/(2025年版の体験ページ)
リンク文言に年度が書かれていないため、利用者は現行年度のページに飛ぶと期待します。これが今回防ぎたい類型そのものです。
一方で 「終売セール」→ /course-list/2024/ のように、意図的に旧年度へ飛ばしている正しいリンクも混ざっています。
だから機械は「候補」を出すところまでにして、最終判定は人が行う設計にしています。413件のうち第5便(講座ページ本体)に122ページが集中しており、まとまりごとに片付けられます。
講座詳細ページ(/courses/detail/?id=…)119ページすべてが
講座詳細 | 司法試験・予備試験対策をするなら|加藤ゼミナール という同一タイトルでした。
本文の中身は個別に入っているため表示上の実害は小さいものの、検索結果での見え方とアクセス解析の可読性に影響します。
チェック業務とは別の改修論点として記録します。
🔴 チェック業務とは別の、至急対応が必要な事案
開発用と思われるエンドポイントが認証なしで閲覧でき、約2.2MBのデータベース投入用データを平文で返しています。 本資料は社内回覧用のため、該当URLと内容はここには記載しません。別途直接ご報告します。 パートさんのチェック業務とは無関係ですが、洗い出しの過程で判明したため報告します。
合格パック2026の詳細ページ1枚を実測した結果です。
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| 本文の文字数 | 24,779字 |
| 同一ページに登場する和暦 | 令和2年 〜 令和9年(8種) |
| 同一ページに登場する西暦 | 2014年 〜 2028年(9種) |
| 同一ページに登場する価格 | 5,000円 〜 598,000円(13種) |
⚠️「2025年と書いてあるから間違い」は成立しない
合格実績・過去問の収録年・受講期限・創業年など、正しく古い年が書かれている箇所が多数あります。 人もAIも、このページを一読して正誤を判定することはできません。
そこで発想を変えます。「正しいか」を判定させるのではなく、「何と書いてあるか」を抜き出させます。 1ページ=1行の台帳にすれば、あとは表の突合で矛盾が浮かびます。
| 台帳の列 | 記入例 |
|---|---|
| URL | /yobisiken-goukaku-pack-detail-2026/ |
| このページの対象年度 | 令和8年(2026年)予備試験 |
| 掲載価格 | 598,000円 / 548,000円 |
| 申込期限・開講日 | 2026年8月31日 |
| 主要リンク先URL | /yobisiken-goukaku-pack/ |
| 出現した年(全部) | 令和2〜9年 / 2014〜2028年 |
台帳が埋まれば、「2026年版から2025年版へのリンク」も「同じ講座なのに価格が2ページで違う」も、数式で機械的に浮かび上がります。 今日の99件は、この仕組みの初回実行結果です。
本当のリスクは「素人には正誤が判定できない」ことではありません。 AIが専門用語を誤字だと誤指摘し、パートさんがそれを信じて正しい本文を壊してしまうことです。これが最大の事故シナリオです。
法律用語集をAIへの指示に丸ごと含め、「これらは法律の専門用語であり、一般用法と意味が違っても正しい。指摘してはならない」と明示します。
| 語 | 法律上の意味 | 一般的な意味(誤解の元) |
|---|---|---|
| 善意 | ある事情を知らないこと | 親切心・好意 |
| 悪意 | ある事情を知っていること | 悪気・敵意 |
| 社員 | 法人の構成員(株式会社なら株主) | 従業員 |
| 果実 | 物から生じる収益(賃料など) | くだもの |
| 占有 | 事実上支配していること | 独り占め |
| 瑕疵(かし) | 欠陥・不具合 | — |
さらに危険なのが法令用語の使い分けです。AIは高確率で「表記を統一しましょう」と誤った提案をしてきますが、次のペアは意味が違うので統一してはいけません。
⚠️ 統一してはいけないペア(AIの提案は無視する)
及び/並びに ・ 又は/若しくは ・ その他/その他の ・ 推定する/みなす ・ 直ちに/速やかに/遅滞なく ・ 以上/以下/未満/超
逆方向の注意も1つ。「原状回復」が正しく、「現状回復」は誤字です。これはAIが直さないことがあるため、見つけたら起票します。
用語集にない語でAIが疑義を出した場合、パートさんは修正案を書かずに「要確認」ステータスで起票し、法律の分かる方に回します。 用語集は運用しながら育てます(専門家が「これは誤指摘」と判定した語を毎回追記する)。3ヶ月も回せば誤指摘はほぼ消えます。
パートさんに毎回3,000字の指示文を貼り付けさせる運用は必ず崩れます(貼り忘れ・一部欠け・古い版の混在)。 Gemini の「Gem」または ChatGPT の「カスタムGPT」に指示書と法律用語集をあらかじめ仕込みます。 パートさんの操作は「本文を貼る」だけになり、指示はこちらが1箇所直せば全員に反映されます。
| ツール | 評価 | 備考 |
|---|---|---|
| Gemini(Gem) | 第一推奨 | 日本語が強い・長文に強い・無料枠が大きい・スプレッドシートと同一アカウントで完結 |
| ChatGPT(カスタムGPT) | 既に契約があれば可 | 有料プラン必要。スクリーンショット判定はやや強い |
作るのは3つ。役割を分けることが必須です。1つのAIに全部やらせると出力が不安定になり、抽出結果に誤字指摘が混ざって台帳が壊れます。
| 呼び名 | 役割 | 出力 |
|---|---|---|
| ①誤字チェックAI | 誤字脱字・表記ゆれを探す | 原文引用つきの指摘表 |
| ②情報抽出AI | 年度・価格・日付を抜き出す | 台帳に貼る表 |
| ③表示崩れAI | スクショから崩れを判定 | 自信がない時のセカンドオピニオン |
2,457ページを毎回見るのは不可能です。便で区切り、そのうえで更新のあったページだけを拾います。
| 回し方 | 内容 |
|---|---|
| 初回(一巡目) | 便の順に、そのまとまりを頭から通す。第1便は22ページなので1〜2日で終わる |
| 二巡目以降 | 機械が毎日「更新のあったページ」を検出してキューに積む。更新されたページだけを見る |
| 定期 | 第1便・第2便は更新がなくても月1回は通す(売上直結のため) |
| 機械のみ | リンク切れ・転送設定・年度不整合は、人の作業とは別に週次で全ページに回す |
台帳には 「🔴死にリンク保有」「⚠️年度不整合保有」列が入っており、 機械チェックで既に問題が見つかっているページが分かります。パートさんはゼロから探し始める必要はありません。
想定工数は Tier A の1ページあたり15〜25分。慣れれば10〜15分程度です。
Ctrl+F 実在確認を経る)✓ 評価基準はこう伝える
評価するのは報告した指摘が本物であることと「分からない」を正直に要確認へ出すことであり、 件数の多さや速さではありません。存在しない間違いを1件報告するダメージは、本物を1件見逃すダメージより大きいと伝えます。
| 成果物 | 状態 | 内容 |
|---|---|---|
| 人間用サイトマップ | 作成済 | 本資料の「8つの便」。全2,457ページを意味のまとまりに分類・未分類ゼロ |
| チェック業務台帳(スプレッドシート) | 作成済 | 7シート。全2,457ページを便つきで格納。①人間用サイトマップ ②全件台帳 ③指摘台帳 ④年度台帳 ⑤リンクエラー628件 ⑥年度不整合413件 ※閲覧には権限付与が必要です |
| パートさん向けマニュアル | 作成済 | 9ステップの手順書。平易な言葉・NG例つき |
| 法律用語ホワイトリスト | 作成済 | AIに読ませる用+パートさんの辞書。運用で育てる追記欄つき |
| AI設定文 3種 | 作成済 | Gem/カスタムGPT にそのまま貼る指示文 |
| クロール・監査スクリプト 4本 | 作成済 | 台帳生成・リンク監査・重複排除・スプシ投入。再実行で更新できる |
| 正本表(講座名・価格・日程のマスタ) | 未着手 | AIでも機械でも作れない。講座担当の協力が必要 |
| 更新検出の自動化・視覚回帰 | 未着手 | 日次で更新ページをキューに積む仕組み/スクショ差分 |
| # | 論点 | なぜ判断が要るか |
|---|---|---|
| 1 | どの便から着手するか | 本資料の主目的。推奨は第1便(商品の入口・22ページ)。優先度が違えば入れ替えます |
| 2 | 分類の追加・分割の要望 | 「このまとまりは分けたい」「この単位で見たい」があれば分類し直します |
| 3 | 去年版へ転送されている入口URLの修正 | 人力チェックでは発見できない不具合。サイト管理側での対応が要る |
| 4 | 検出済み79本のリンク切れの修正担当 | チェック業務の前に、既知の障害を誰が直すか |
| 5 | パートさんが使うAIの契約 | Gemini(無料/有料)か ChatGPT Plus か。Gem作成に最低1アカウント必要 |
| 6 | 法律用語のエスカレーション先 | ここが決まらないと「要確認」が滞留し、仕組みが止まる |
| 7 | 正本表の作成 | 現行の正しい価格・日程を人が1回だけ確定させる必要がある |
| 8 | 公開状態のエンドポイントへの対応 | 別途直接ご報告する事案。こちらでの対処は行っていません |